「絶対に保育士になる!」と夢を抱いて専門学校に入学したものの、「こんなはずじゃなかった…」と後悔したり、最悪の場合は途中で退学してしまったりする学生が毎年一定数存在します。

検索エンジンで「保育士 専門学校」と調べると、華やかなパンフレットの画像や「就職率100%」「楽しく学べる」といったポジティブな情報ばかりが目につきます。しかし、現実の学校生活は楽しいことばかりではなく、実習や課題、人間関係など様々な壁が立ちはだかります。表面的な情報だけで進路を決めてしまうと、入学後に大きなギャップに苦しむことになりかねません。

本記事では、保育現場のリアルを知る現役保育士であり、SEOライターでもある筆者が、実際にあった「保育士専門学校選びのよくある失敗例」を5つのパターンに分けて徹底解説します。先輩たちの失敗から学び、あなたが後悔しない学校選びをするための具体的な対策をお伝えします。


失敗例1:学費の「隠れコスト」で資金がショートした

【よくある失敗】 「複数校を比較して、一番学費(初年度納入金)が安いA校に決めた。しかし入学後、毎月のように教材費や実習費が請求され、結果的に一番高かったB校よりも総額が高くなってしまった。アルバイトを増やさざるを得ず、学業に支障が出た…」

【なぜ起こるのか?悲惨な現実】 パンフレットに大きく記載されている「学費」には、入学金、授業料、施設設備費しか含まれていないケースが多々あります。 保育士の学習には、専門書(教科書)、ピアノの楽譜、製作物の材料費、実習用のエプロンやジャージ、上履き、さらには遠方の実習先への交通費など、細々とした出費が継続的に発生します。安さだけで飛びつくと、この「隠れコスト」によって資金計画が崩壊します。

【後悔しないための具体的対策】 オープンキャンパスの個別相談で、**「パンフレットに載っている学費以外に、卒業までにいくらかかりますか?」**と必ず質問してください。誠実な学校であれば、過去の実績から「プラス〇〇万円程度です」と明確な数字を提示してくれます。ギリギリの資金計画ではなく、予備費を含めたトータルコストで比較検討することが絶対条件です。


失敗例2:「ピアノ初心者歓迎」を信じたのに練習環境が最悪だった

【よくある失敗】 「『初心者でも安心!最新のピアノ室完備』という言葉を信じて入学。しかし、実際は学生数に対してピアノの台数が圧倒的に少なく、放課後は常に争奪戦。予約が全く取れず、家にもピアノがないため練習ができず、実技テストで何度も再試験になってしまった…」

【なぜ起こるのか?悲惨な現実】 専門学校入学者の半数以上はピアノ初心者です。そのため、学校側は手厚いサポートをアピールしますが、「設備があること」と「自分が十分に使えること」は別問題です。 1学年300人いるのに個室のピアノ練習室が10部屋しかない、防音室の利用時間が17時までと短い、といった環境では、初心者が授業についていくのは不可能です。結果的に高いお金を払って外部のピアノ教室に通う羽目になる学生もいます。

【後悔しないための具体的対策】 施設見学の際、綺麗に磨かれたピアノを見るだけでなく、**「学生一人当たりのピアノ台数」と「放課後や休日の利用可能時間」「予約の取りやすさの実態」**を在校生スタッフに直接聞いてください。「朝練や居残りでいつでも自由に弾けますよ」と即答できる学校を選びましょう。


失敗例3:最も辛い「保育実習」のサポートが放置状態だった

【よくある失敗】 「いざ保育実習が始まると、毎日書かなければならない『実習日誌』や『指導案』の書き方が分からずパニックに。先生に相談しても『自分で考えなさい』と突き放され、睡眠時間1〜2時間の日々が続き、精神的に追い詰められて保育士の夢自体を諦めてしまった…」

【なぜ起こるのか?悲惨な現実】 専門学校生活において最大の難関が、実際の保育園で行う「実習」です。実習の大変さはどの学校でも共通ですが、「学校のサポート体制」には雲泥の差があります。 面倒見の良い学校は、実習前に何度も日誌の書き方を添削し、実習中も担任が園に様子を見に来てメンタルケアをしてくれます。一方、放任主義の学校では「実習先に丸投げ」となり、学生が孤独にプレッシャーと戦うことになります。実習の挫折が、退学理由のトップクラスに挙がるのはこのためです。

【後悔しないための具体的対策】 学校選びの段階で、**「実習日誌の添削指導はどのくらいの頻度で行われますか?」「実習中に困ったことがあった場合、先生はどのようにフォローしてくれますか?」**と確認しましょう。また、附属の保育施設を持っている学校であれば、顔見知りの先生の元で実習ができるため、精神的負担が劇的に軽減されます。


失敗例4:学校の「カラー(校風)」が自分と全く合わなかった

【よくある失敗】 「就職率の高さだけで伝統のある厳しい学校を選んだ。しかし、挨拶の角度や言葉遣い、服装チェックなどが軍隊のように厳しく、自由な雰囲気で学びたかった自分には息苦しすぎて、毎日学校に行くのが苦痛になってしまった…」

【なぜ起こるのか?悲惨な現実】 保育士は保護者対応など社会人としてのマナーが強く求められる職業であるため、専門学校の中には「生活態度や礼儀作法」を非常に厳しく指導する学校があります。これが合う人にとっては最高の教育環境ですが、合わない人にとっては地獄です。 逆に、「アットホームで自由」を謳う学校に入ったものの、授業中も騒がしく、真面目に学びたいのに集中できないと後悔するパターンもあります。

【後悔しないための具体的対策】 パンフレットやウェブサイトから「校風」を完全に読み取ることは不可能です。必ずオープンキャンパスに足を運び、すれ違う在校生の表情や、先生との距離感、服装の乱れがないかなど「空気感」を肌で感じてください。「自分がこの輪の中で、2年間心地よく過ごせそうか」という直感を何よりも大切にすべきです。


失敗例5:「就職率100%」の裏側!希望しない園をゴリ押しされた

【よくある失敗】 「『就職率100%』に惹かれて入学。私は小規模でアットホームな園を希望していたのに、キャリアセンターの先生から『うちの学校と昔から付き合いのある大規模な法人を受けなさい』と強く勧められ、断りきれずに就職。結果、大規模園の激務に耐えられず1年で早期離職してしまった…」

【なぜ起こるのか?悲惨な現実】 「就職率100%」という実績を維持するために、学生の希望よりも「学校とパイプのある確実に受かる園」や「求人を出してくれている法人の穴埋め」を優先して斡旋する悪質なケースが少なからず存在します。 本来、就職サポートとは学生一人ひとりの適性を見極め、長く働き続けられる園をマッチングすることですが、実績づくりが目的化している学校に入ると、ミスマッチによる早期離職という悲劇を生みます。

【後悔しないための具体的対策】 **「卒業生の就職先の割合(公立、私立、施設規模など)」を確認するとともに、「もし内定をもらった園を辞退して、別の園を受け直すことは可能ですか?」**と意地悪な質問をぶつけてみてください。学生の意志を尊重し、「あなたが納得いくまで付き合うよ」と答えてくれる学校は信頼できます。


まとめ:情報収集の手間を惜しまないことが最大の防衛策

「保育士 専門学校」選びにおける失敗の多くは、**「表面的な良い情報だけを鵜呑みにし、都合の悪い裏側の確認を怠ったこと」**に起因します。

専門学校での2年間(または3年間)は、決して安い買い物ではありません。あなたの貴重な時間と数百万円の学費を投資する場所です。 「家から一番近いから」「友達が行くから」「パンフレットが可愛いから」といった安易な理由で決めるのは絶対に避けましょう。

気になる学校の資料を複数取り寄せ、必ず自分の足でオープンキャンパスに出向き、今回ご紹介した5つの失敗例を念頭に置きながらシビアな目で比較検討してください。その少しの手間が、入学後の充実した学生生活と、素敵な保育士への道を約束してくれます。